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一人親方になる人は注意!国民健康保険の加入義務

    
現場のヒーロー
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一人親方になる人は注意!国民健康保険の加入義務

一人親方になろうと思っている方

建設会社などに勤めている人で、今よりも収入を上げたいと思い、独立を考えている人に向けて国民健康保険の大切さを解説していこうと思います。国民健康保険をしている人は多いと思いますが、実はどういったものなのかやんわりと知らない人もいます。加入は義務になるので、しっかりと把握しておきましょう。

国民健康保険とは

国民健康保険とは、都道府県および市区町村が運営している公的医療保険です。

自営業(一人親方も)や農業を営む方、専業主婦、年金生活者、無職の方等、特定の企業に属さない方は自治体を通じて国民健康保険に入ります。つまり、社会保険(健康保険)や共済保険、後期高齢者医療制度に入っている方、生活保護を受けている方以外は、国民健康保険に入らなければならないということです。

なお、国民健康保険には「扶養」という概念がないため、例えば自営業者とその配偶者の場合、夫婦それぞれが加入者かつ被保険者になります。

保険料は、前年の所得と加入者数、年齢に基づいて計算されるため、都道府県・市区町村によって1人あたりの負担額に差が出ます。

健康保険とは

健康保険とは、特定の企業に属する従業員や、その扶養家族が入る公的医療保険です。

健康保険には、大企業の従業員等が加入する「健康保険組合」や、健康保険組合がない企業の従業員等が加入する「協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)」、海上で働く船員が加入する「船員保険(全国健康保険協会管掌健康保険)」があります。

保険料は、被用者の4月から6月の給与の平均額(標準報酬月額)をもとに算出し、その年の9月から翌年8月まで適用されます。保険料の全額が自己負担となる国民健康保険とは異なり、所属する事業主と被用者で折半する「労使折半」が適用されます。

また、一定の加入条件はありますが、健康保険は被用者と生計を一にする扶養家族(配偶者や親、子等)の加入も可能です。

扶養家族の人数は保険料の計算に関与しないため、扶養家族がいる方は、自身が加入する健康保険に一緒に家族も加入したほうが保険料を節約することができます。

一人親方が加入可能な国民健康保険

国民健康保険といっても一人親方の場合は、加入できる国民健康保険が2種類あります。受けられる補償は同じですが、支払金額に差があるので、確認しておきましょう。

【自治体運営の国民健康保険】

自治体運営の国民健康保険に加入する場合、住民票を置く自治体の役所にて加入手続きをおこないます。自営業者・無職・その家族が加入する保険制度で、一般的に「国民健康保険」といえば、自治体運営の保険を指します。どの自治体の健康国民保険でも、受けられる補助の内容は変わりませんが、毎月の保険料は自治体によって異なります。

【建設国保】

建設国保とは、建設業界の事業者(主に自営業者)が加入できる国民保険制度です。全国建設工事業国民健康保険組合が運営しており、令和3年現在全国で10万人以上が加入しています(本人とその家族)。自治体運営の国民健康保険は、収入額に応じて毎月の保険料が高くなるのに対し、建設国保は年齢により保険料が一律であるのが大きな特徴です。

国民健康保険と共に加入できる保険

一人親方は危険な現場で作業を行うことも多く、健康保険だけではすべてを補うことは出来ません。ここでは、ケガや病気による収入がなくなった際のリスクや引退後のリスクなどを補うことが出来る保険を紹介します。

【国民年金】

国民年金は国民健康保険と同時に加入義務がある制度です。個人の収入金額によって支払金額が変わっており、65歳まで支払い続けることで、その後一定の金額を受け取ることが出来る制度で、一人親方引退後の生活資金になります。国民年金は、支払期間中の条件ありの免除制度もあるので保険の中でも特殊な保険です。

【その他民間保険】

生命保険や医療保険など、街の保険屋さんで加入する任意保険のことです。入院費や通院費、手術費、死亡、仕事の出来ない間の保障など様々なニーズに合わせた保険があるのが特徴で、支払金額から受給額、受けられる保障まで様々なものがあります。ただし、あれやこれやと加入してしまうと毎月の保険料が負担となってしまうので注意しましょう。

【労災保険特別加入制度】

一人親方は経営者であると同時に労働者として現場作業が伴う場合があります。万が一にもケガや病気になってしまうと治療費どころか無収入になることも考えられます。そういった場合に保証してくれるのが労災保険です。本来であれば労災保険は従業員のみ加入できるもので、事業主である一人親方でも加入出来るように整備したものが労災保険特別加入制度です。

労災保険に加入するメリットは、

・仕事中に発生したケガや病気の治療が、自己負担0円で受けられる

・ケガや病気の程度によって、休業補償を受けられることがある

・仕事中に死亡してしまった場合、遺族給付が受けられる

・労災保険に加入することにより、仕事の請負元に対して安心感を与えられる

などがあります。

国民健康保険料が高い?

国民健康保険は、会社に勤めていない人が加入するので無職や低収入の加入割合が多く、収入の高い人の負担が大きいという印象があります。会社に勤めていた頃の社会保険は会社との折半であったため、国民健康保険は全額負担であることから支払金額が多くなっているという印象があります。結論から言うと国民健康保険は支払金額が増えたというのは正しくはなく、相対的に見ればそこまでではないでしょう。

そうはいっても少しでも支払金額を減らしたいという気持ちもあるでしょう。

【国民健康保険を安くするには】

国民健康保険料の負担を減らしたい人には、減免申請を検討しましょう。減免申請は、収入など一定の条件を満たしていると受けることが出来る制度で世帯収入と世帯人数で決まります。一人親方の場合、減免申請の条件に合うことはあまりありませんが、前年の年収に比べて3割程度収入が落ち込んだ場合には減免を受けることが出来るので、覚えておきましょう。また、上記で紹介した建設国保に加入するのも費用を抑えることが出来ます。

【法人化すると】

法人化すれば社長であっても社会保険への加入が義務付けられており、協会けんぽへの加入ができます。とは言っても協会けんぽが安いというわけではなく、国民健康保険とさほど安くなるわけではありません。

ただ法人化すれば、社会保険料は福利厚生費として損金処理を行えます。ですから保険料の半額を経費にできるということ。役員報酬が30万円だとしたら年間で15万円程度は経費にできるので、課税後の収入から支払う国民保険より節税効果で実質安くなるということです。しかし、法人化の場合厚生年金への加入も必要になってくるので、節税以上の金額を支払うことになるかもしれません。

まとめ

以上、国民健康保険について解説しました。一人親方として独立を決意した場合、国民健康保険への加入に切り替えを行わなければならないので注意して下さい。また、国民年金やその他民間保険も加入を検討してみましょう。危険な現場作業などのリスクを抑えるためにも備えておくことは非常に重要なことです。自分だけではなく、家族を守ることにもなりますので、しっかりと準備をしてから一人親方として独立をしましょう。

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