徹底解説!鍛冶屋のお仕事(5) 雑貨鍛冶職人
新しい鍛冶屋の形、雑貨を手掛ける鍛冶職人の世界
新しい鍛冶屋の形として、現代では伝統的なものを作製するだけではなく、その鍛造技術を生かしてオブジェやインテリアを作製する事に生かしている職人達がいる事をご存知でしょうか。今回はそんな新しい商品開発に挑戦している雑貨鍛冶職人の仕事内容を解説していきたいと思います。
仕事内容
伝統的な刀、鋏や包丁と言った日用品などの鍛造をするイメージの強い鍛冶屋という職業ですが、実は現代のニーズや環境に合わせた雑貨、インテリアやエクステリアに力を入れている工房もあります。鉄製のテーブルや椅子、門扉や金物など、鍛冶職人の技術は様々なものに応用が出来るため、鉄の素材感を活かした商品が注目を浴びています。
職人達のアイディアと個性によって出来上がる作品は様々で、昔ながらの荘厳で重厚感のある作品から繊細で煌びやかなものまで、さながら美術品の様な扱いで、他方からオーダーメイドでの注文を受けて作っているという所が増えてきているそうです。
ちなみに各工房の規模はそこまで大きくなく、基本的には一人で商品の作成からPR、流通まで手掛けている所が多い印象を受けます。現代ではネットショップやSNSといった個人でも十分宣伝出来る媒体が豊富にある上に、展示会などで直接販売に関わる事でユーザーのニーズやトレンドを感じ取り、商品の幅や種類の拡張に活かしている職人さん達が増えてきています。
雑貨鍛冶職人になるための工程
まずは自分を受け入れてくれる師匠を探し、弟子入りして技術を学ぶことが重要です。勿論ニッチなジャンルではあるので、あまり求人や自治体での斡旋等は行われていません。なので、気になった商品や、インターネットの情報を元に、製作者や工房を訪ねて問い合わせてみるのが良いでしょう。
また、鋳造をメインとする工房ではなく、溶接などでテーブルや椅子といった商品を製作する鉄工所や家具屋はより求人や弟子入り先が見つけやすいかと思います。
ちなみに日本刀をはじめとした日本の刃物鍛冶の技術は世界的にも高い評価を受けている一方で、雑貨、インテリアや建築金物の鍛冶技術は実はヨーロッパが本場と言われています。職人としての技術を高めるためにヨーロッパ諸国に修行をしにいく職人もいるので、日本にこだわらないのであれば海外で鍛冶工房を探す方が容易かもしれません。
まとめ
今回は現代のニーズにあったインテリアやオブジェなどを主に作成する雑貨鍛冶職人の世界を解説させていただきました。ニッチな職種とは言え、その内容はとても深く、ひとつの記事では収まらない技術やデザインの世界がありますので、興味をもった方はそういった工房を訪ねてみたり、海外での修行生活を視野に入れてみてはいかがでしょうか。