技能講習費用になる?助成金紹介
技能講習に使える助成金
技能講習を積極的に受けることは仕事の幅や技術力を向上させるために非常に重要なことですが、講習には費用が掛かります。そこで今回は、技能講習に当てることが出来る助成金を一覧で紹介します。
助成金とは
助成金とは、融資とは異なり、返済の必要がない資金を指します。大きく分類すると、雇用関係の助成金(主に厚生労働省)と、研究開発型の助成金(主に経済産業省)に分かれます。
雇用関係の助成金は広く知られていますから、新たに従業員を雇用、定年延長、従業員への研修や教育等を行った際に、雇用関係の助成金を活用されたことがある経営者様もいるのではないでしょうか。しかし、研究開発型の助成金は広く知られていないために、研究開発型の助成金を活用している企業は非常に少ない、というのが現状です。研究開発型の助成金は、もらえるお金(受給額)は500~5,000万円が中心で、雇用関係の助成金と比べて高額です。雇用関係の助成金に加えて、研究開発型の助成金をうまく活用すれば、自社の経営環境を大きく改善することが出来ます。
人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)
【助成金の概要】
「人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)」は、中小建設事業主等が雇用する建設労働者に有給で技能実習を受講させた場合に、その経費や賃金の一部を助成する制度です。
【対象となる講習会】
・足場の組立て等作業主任者技能講習
・足場の組立て等特別教育
・フルハーネス型墜落制止用器具特別教育
・低圧電気取扱業務特別教育
・除染等業務従事者特別教育
・巻上げ機運転特別教育
・巻上げ機運転特別教育(学科・実技)
・自由研削といし取替試運転作業者特別教育
・酸素欠乏・硫化水素危険作業特別教育
・粉じん作業特別教育
・石綿取扱い作業従事者特別教育
【対象事業主】
・資本金または出資の総額が3億円以下、または常時雇用する労働者数が300人以下の建設事業主であること
・建設の事業として、雇用保険料率12/1,000(令和3年度)の適用を受ける事業主であること
・事業主からの業務命令で、建設労働者が受講すること
・受講者が雇用保険の被保険者であること
・受講者である建設労働者に、所定労働時間内に受講させ、その場合に支払われる賃金の額以上の賃金を支払っていること(※1)
・雇用管理責任者を選任していること
【助成金額】
経費助成額:
・雇用保険被保険者数が20人以下の中小建設事業主
対象金額×3/4
・雇用保険被保険者数が21人以上の中小建設事業主
35歳未満の労働者 → 対象金額×7/10
35歳以上の労働者 → 対象金額×9/20
賃金助成額:
・雇用保険被保険者数が20人以下の中小建設事業主
受講者1人につき8,550円〈9,405円〉(+2,000円)×受講日数
・雇用保険被保険者数が21人以上の中小建設事業主
受講者1人につき7,600円〈8,360円〉(+1,750円)×受講日数
建設事業主等に対する助成金
【概要】
建設業に携わる中小企業の事業主が従業員に技術向上のため、技能講習・特別教育・安全衛生教育を受講させた場合に、その一部が事業主に対して助成される制度です。
【対象事業と建設業とは】
建設労働者を雇用して建設事業を行う事業主を指します。
土木一式工事・石工事・鋼構造物工事・ガラス工事・熱絶縁工事業・水道施設工事・建築一式工事・屋根工事・鉄筋工事・塗装工事・電気通信工事・消防施設工事・大工工事・電気工事・舗装工事・防水工事・造園工事・清掃施設工事・左官工事・管工事・しゅんせつ工事・内装仕上工事・さく井工事・解体工事・とび・土工・コンクリート工事・タイル・れんが・ブロック工事・板金工事・機械器具設置工事・建具工事
【助成金種類】
経費助成:
雇用保険被保険者数20人以下の中小建設事業主
受講料(消費税を除く)の75%<15%>
雇用保険被保険者数21人以上の中小建設事業主
・35歳未満の方は70%<15%>
・35歳以上の方は45%
中小以外の建設事業主(女性建設労働者対象)
受講料(消費税を除く)の60%
賃金助成:
雇用保険被保険者数20人以下の中小建設事業主
平均賃金日額(限度額8,550円<2,000円>)× 受講日数※1
雇用保険被保険者数21人以上の中小建設事業主
平均賃金日額(限度額7,600円<1,750円>)× 受講日数
【対象となる技能講習】
移動式クレーンAコース(学科、実技コース)
移動式クレーンBコース(実技コース)
床上操作式クレーン
小型移動式クレーン
ガス溶接
ショベルローダー
車両系建設機械(整地、運搬、積込み用及び掘削用)
車両系建設機械(解体)
車両系建設機械(基礎)
不整地運搬車
高所作業車
玉掛け
足場の組立て等作業主任者
自由研削といし
アーク溶接
低圧電気取扱業務
不整地運搬車
小型車両系(整地等)
小型車両系(基礎工事用)
小型車両系(解体用)
ローラー
高所作業車
巻上げ機
クレーン運転
移動式クレーン運転
玉掛け
酸欠・硫化水素
粉じん作業
石綿
足場の組立て等
ロープ高所作業
フルハーネス型墜落制止用器具
移動式クレーン運転士
ガス溶接業務従事者
車両系建設機械(整地等)運転
車両系建設機械(基礎工事用)運転
ローラー運転業務
玉掛け業務
キャリア形成促進助成金
キャリア形成促進助成金は、雇用する労働者のキャリア形成を効果的に促進する為、職業訓練等を段階的かつ体系的に実施する事業主等に対して支給されます。
【要件】
下記のいずれの要件にも該当すれば、支給申請が可能です。
・雇用保険適用事業所の事業主であること。
・労働組合等の意見を聞いて、事業内職業訓練開発計画、年間職業能力開発計画を作成し、その雇用する労働者に周知していること。
・「職業能力開発推進者」を選任し、都道府県職業能力開発協会に選任届を提出していること。
・労働保険料を過去2年以上滞納していないこと、過去3カ年間助成金の不正受給がないこと。
・実施する訓練等について、あらかじめ、雇用・能力開発機構都道府県センターの受給資格認定を受け、かつ、給付金の支給要件に合致していること。
【支給額】
経費助成…訓練に要した経費の3分の1
賃金助成…訓練の実施期間中に支払った賃金のうち、訓練時間に応じた額の3分の1
※経費助成は、訓練時間が300時間未満の場合は1人当たり5万円が限度です。
建設教育訓練助成金
建設教育訓練助成金は、中小建設事業主等が、雇用する建設労働者のために技能講習または特別教育を行う場合や技能実習等を受講させた場合、実施に要した経費や労働者の賃金の一部が助成される助成金です。
【要件】
下記のいずれの要件にも該当すれば、支給申請が可能です。
・建設業であること。
・雇用保険の保険料率が18.5/1,000であること。
・資本金が3億円以下または従業員300人以下の建設業であること。
・受講者が雇用保険の被保険者であること。
【対象科目】
・車両系建設機械 (整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習
・小型移動式クレーン 運転技能講習 (1t以上5t未満)
・不整地運搬車 運転技能講習(1t以上)
・高所作業車 運転技能講習(10m以上)
・床上操作式クレーン 運転技能講習 (5t以上)
・玉掛け 技能講習
・ガス溶接 技能講習
【支給額】
技能実習
経費助成…技能実習の実施に掛かる経費、受講料の約70%
賃金助成…1人あたり1日7,000円かつ20日分を限度(1日3時間以上受講した日に限る)
まとめ
以上、技能講習で活用できる助成金を紹介しました。条件や対象講習がしっかりと決まっていますが、条件が合えば費用面で大きな助けとなるので、ぜひとも活用してください。
ここで紹介した他にも助成金や補助金制度はありますので、気になる方は調べてみて下さい。