職人と発注元企業をつなぐマッチングサービス

一人親方独立!消費税をしっかりと納めよう

    
現場のヒーロー
\ この記事を共有 /
一人親方独立!消費税をしっかりと納めよう

消費税の支払いについて

一人親方として個人事業主になったら、わからないことの1つに消費税の取り扱いがあります。消費税は請求するべきか、計算方法はどのように計算するのか、そして請求すべきものなのかどうか。

もちろんですが、預かっているだけのお金なので決して使ってはいけません。

そして預かった消費税を、納めなくていい条件もあります。

消費税を納める

一般的な消費者にとって、消費税は支払うのが当たり前です。

しかし一人親方として個人事業主になったら消費税は取引先から預かっているものでもあります。売り上げとして報酬を受け取った金額の中には消費税も含まれています。

お客さんから計算した消費税率分を一時的に預かっているだけであり、消費した人の代わりにあなたが国に納める税金です。

消費税の計算方法

始めに消費税の仕組みを理解しましょう。

多段階課税という方式を採用しており、最終消費者が支払った分はそこに至るまでの業者が自社で支払った消費税に対して、自社が販売する時にかける消費税を足したものという風に遡って各企業がそれぞれに必要とした消費税を納めています。

以下の計算式ですと分かりやすいかと思います。

【消費者が支払う消費税額=原材料購入の消費税+製品購入の消費税+商品購入の消費税】

このような構造になっています。元請けは上記の消費者にあたり、下請けに支払った金額から消費税分を計算して納税している訳です。

一人親方が請求する消費税は「労働と言う名前の商品」ですから消費税は10%(2020年現在)で計算します。

【計算式:消費税=日当総額(日当×勤務日数)× 消費税(10%)】

また、請求書は元請けの経理で合計金額が税込価格とみなされないように、日当総額と消費税、それらを足した請求金額が別々に記載できるものを使う方が安心です。

消費税の支払いがないケース

消費税には、一定規模以下の小規模事業者には免税となる特例があります。

基準期間中の課税売上高が1000万円以下の小規模事業者については、消費税の納税義務が免除されます。

ちなみに、消費税の納税義務が免除される者のことを免税事業者と言います。免税事業者となると、消費者から預かった消費税を税務署に納付する必要がありません。

基準期間とは、法人についてはその事業年度の前々事業年度、個人事業主については、その年の前々年となります。

法人は2年前の事業年度、個人事業主は2年前と考えてみましょう。2年前の事業年度の課税売上高が1000万円を超えている場合には、消費税の納税義務者になります。

【法改正】

平成23年の税制改正により、平成25年1月1日以後に開始する事業年度から、基準期間における課税売上高が1000万円以下であっても、特定期間(通常はその事業年度の1年前の事業年度の上半期6カ月間)の課税売上高が1000万円を超える場合には、消費税の納税義務は免除されないことになりました。しかしながら、特定期間の給与等の支払額の合計が1000万円を超えない場合には同じく免税となります。

仮にこの特定期間での課税売上高が1,000万円を超えていたとしても、給与等の支払い額が1,000万円を超えていなければ課税事業者とはならない、ということです。

消費税の発生しない取引

消費税はモノやサービスを消費する際に発生する税金になります。そのため一定の要件に該当する場合、消費税がかからない取引があります。

【不課税取引】

まずは、『不課税取引』についてですが、取引の性質から言ってそもそも消費税を課す対象とならないものを不課税取引といいます。下記の要件に1つでも該当しない場合は、不課税取引となります。

・国内取引かどうか

海外で商品を購入しても、日本の消費税が取られるということはありません。日本の消費税は国内取引に対して課税されます。

・対価を得て行う取引かどうか

少しわかりにくい表現ですが、モノの譲渡や貸付・サービスの提供と、お金の支払(受取)との間に対応関係あるいは因果関係があるかどうかということです。従って、寄附や贈与等は対象となりません。

・事業として行うものかどうか

法人であれば、法人の行為は全て事業のためとされるので問題ありませんが、個人事業者の場合には所得税の計算と同様に事業行為と家事行為に区別し、家事行為は事業の消費税の計算から除くことが必要です。

【非課税取引】

取引の性格上消費税を課税するのが好ましくない取引や、政策的見地から消費税を課税しないこととしている取引のことを非課税取引といいます。

本来は消費税が課税される取引ですが敢えて課税しないこととしているため、非課税取引は消費税法により下記のように限定列挙されています。

・土地の譲渡、貸付け(一時的なものを除く。)など

・有価証券、支払手段の譲渡など

・利子、保証料、保険料など

・特定の場所で行う郵便切手、印紙などの譲渡

・商品券、プリペイドカードなどの譲渡

・住民票、戸籍抄本等の行政手数料など

・外国為替など

・社会保険医療など

・介護保険サービス・社会福祉事業など

・お産費用など

・埋葬料・火葬料

・一定の身体障害者用物品の譲渡・貸付けなど

・一定の学校の授業料、入学金、入学検定料、施設設備費など

・教科用図書の譲渡

・住宅の貸付け(一時的なものを除く。)

【免税取引「輸出免税」】

最後に、『免税取引』についてです。例えば輸出品のような実際の消費地が海外であるような場合の取引については、消費税が免除されます。

免税取引は、課税取引に該当するものの税率が0%である取引と言われています。

これは、消費がされる場所において消費税を課税しようという考えからです。

したがって、日本で消費されないことが明らかである輸出取引には、日本の消費税を課税しない、ということになるのです。

インボイス制度導入?

2023年10月より導入されるインボイス制度というものがあります。

インボイスとは、販売対象ごとに消費税率が記載された納品書または請求書のことを指します。インボイス制度が導入されると、課税事業者は仕入先のインボイスに記載された税額のみ控除できるようになります。言い換えれば、インボイスが発行されないと仕入れの税額を差し引くことができず、納税額が高くなります。

ただし、インボイスを発行できるのは課税事業者に限られており、免税事業者はインボイスの発行はできません。

免税事業者に不利?

免税事業者がこれまで通りに事業活動を行う場合、販売先は仕入れの税額控除を受けることができません。そのため、仕入先を変更される、あるいは取引継続の要件として仕入価格の値下げを求められるという可能性が考えられます。

ただし、免税事業者の仕入額控除はインボイス制度が導入されても、すぐに完全廃止になるわけではありません。

免税事業者の選択

今後免税事業者はどのような選択があるでしょうか。今まで通り免税事業者として事業を行っていく場合と、課税事業者となる方法があります。インボイスの利用をするには課税事業者になる必要があるので、今後課税事業者になっていく一人親方は増えていくと思われます。

まとめ

以上、一人親方の消費税に関することについて解説しました。今後のインボイス制度によって、節税の流れは強くなっていくと考えられます。免税事業者である一人親方はこれを機に法人化なども視野に入れて検討してみて下さい。

もちろん法人化せずとも、課税事業者になることは可能です。

Copyright©,2024All Rights Reserved.